「負動産」の相続にはお気をつけください
昨今、所有者不明の不動産の増加が社会問題となっています。
所有者不明の主な原因は相続登記未了にあり、その主な原因は相続する「不動産」が、「負動産」(売却できず費用負担のみが発生する不動産)であるためと言われています。
そこで、相続又は遺贈(遺言によって特定の相続人に財産の一部又は全部を譲ること)によって土地の所有権を取得した相続人が一定の要件を満たした場合に、土地を手放して国庫に帰属させることを可能とする「相続土地国庫帰属制度」が創設されました。
しかし、この制度には下記のような制限や負担があり、実際に利用することが少々難しいものになっています。
・国が管理する上で過分の費用や労力を要する等の一定の土地については、この制度を利用できない。
・この制度を利用できる場合においても、国に対して数十万円の負担金を納付しなければならない場合がある。
なお、制度を利用するための申請は、相続人が複数名存在する場合その全員で行う必要があります。
全ての相続人の合意を取り付けられず申請を断念する場合も考えられますが、こちらは特定の相続人へ相続させる旨の公正証書遺言を作成するなどの対策を取ることが可能です。
2024年4月1日からは、相続登記を行うこと又はそれに代わる手続(相続人申告登記)を行うことが義務付けられますので、将来の相続手続でご不安がある方は、相続の専門家である司法書士に是非お気軽にご相談ください。